口内炎が痛い！ボルタレンは口内炎の痛みに効く？

2017/06/22 2017/06/23

口内炎は、誰でも一度は経験したことがあるかと思います。たいていの場合はすぐに治りますが、意外と痛くて辛いものですよね。痛み止めというと真っ先にボルタレンが思い浮かぶ方も多いと思いますが、口内炎の痛みにもボルタレンは有効なのでしょうか。

ボルタレンの効果

ボルタレンは、非常に効果の強い解熱鎮痛薬です。痛み止めとしてはロキソニンも有名ですが、ボルタレンにはロキソニン以上の強い鎮痛効果があり、処方箋なしにドラッグストアで購入することはできません。そして、ボルタレンの鎮痛効果はプロスタグランジンの産生を抑えることにより発揮されます。

体内では、組織が損傷したときに細胞膜のリン脂質からアラキドン酸が遊離されます。そして、このアラキドン酸はシクロオキシゲナーゼという酵素によってプロスタグランジンへと変換されます。そして、プロスタグランジンにはブラジキニンなどの発痛物質が引き起こす痛みを増強する作用があるのです。そのため、プロスタグランジンの産生を抑えることで痛みを和らげることができるのです。

ボルタレンが働きかけるのは、シクロオキシゲナーゼ。これの働きを阻害して、プロスタグランジンの産生を抑制します。なお、ボルタレンに限らずNSAIDs（非ステロイド性抗炎症薬）と呼ばれる医薬品は全て同じメカニズムで鎮痛効果を現します。

ボルタレンは口内炎の痛みに効く？

ボルタレンの副作用には、吐き気などの消化器症状、発疹などの皮膚症状、そしてむくみや倦怠感などの全身症状があります。そして、その中で発生頻度が最も高いのは消化器症状。プロスタグランジンには痛みを増強する作用の他に胃粘膜を保護する作用もあるため、プロスタグランジンの産生を抑えることによって消化器に悪影響が出てしまうのです。市販後の使用成績調査では、ボルタレン錠を服用した人の6.63％に消化器症状の副作用が認められています。

そして、消化器症状には吐き気の他にも、食欲不振や嘔吐、腹痛、胃痛、下痢、便秘、そして口内炎などがあります。

ボルタレンは強力な鎮痛薬なので、どんな痛みにも効くような気がします。しかし、ボルタレンの副作用として口内炎があります。そのため口内炎の痛みにボルタレンは使用できず、使用した場合にはむしろ悪化させてしまう可能性があるといえるでしょう。

口内炎の痛みの対処法

口内炎の痛みに対して、ボルタレンの使用はできません。では、どのように対処すればよいのでしょうか。

他のNSAIDsも使用不可

ボルタレン以外にも、ロキソニンやバファリン、イブ、セデスなど、様々な痛み止めが販売されています。しかし、これらはいずれもNSAIDsなので同じ副作用があります。副作用の発生頻度はボルタレンよりも低いといえますが、それでも口内炎に使用できません。

ビタミン

そもそも、口内炎はビタミンB2の欠乏が原因です。そのためビタミン剤を内服するのは根本的な治療として効果的で、さらに健康にもプラスになります。また、ビタミンB2が豊富なレバーなどの食品を積極的に摂取するのもよいでしょう。しかし、口内炎の痛みをすぐに止める即効性はあまり期待できません。

ケナログ

口内炎に効く薬として有名なのが、ケナログです。ポピュラーな薬なので、近くの薬局へ行けば手に入るはずです。使い方は、1日に数回患部に塗るだけ。無味無臭なので、口の中に塗っても気になりません。これだけで、炎症が抑えられて痛みが和らぎますよ。

デンタルクリーム・クールスロート

デンタルクリームにはジブカイン塩酸塩とアミノ安息香酸エチルが配合されており、痛みを抑えることができます。また、細菌の繁殖を抑えてくれるため歯槽膿漏などにも効果がありますよ。手が届きにくい部位に口内炎ができた場合には、スプレータイプのクールスロートがおすすめです。手を汚す必要がないのもメリットですね。