抗菌薬「クラビット」の副作用は？頭痛が起きることも？

薬を服用するにあたって心配なのは、やはり副作用だと思います。ここでは、様々な感染症の治療に利用される抗菌薬「クラビット」の副作用についてみていきましょう。

クラビットは安全な抗菌薬

クラビットはニューキノロン系の抗菌薬に分類され、効果が高く副作用が少ないことで知られています。クラビットの副作用が比較的少ないのは、細菌に選択的に作用する薬だからです。
 
細菌はDNAを複製して細胞分裂することによって増殖していきます。そして、DNAを複製するために欠かせないのが「DNAジャイレース」です。クラビットはこのDNAジャイレースを阻害することにより細菌の増殖をストップさせるため、感染症に対して効果を発揮します。
 
ここで重要なのは、私たち人間はDNAジャイレースを有していないためクラビットは細菌だけを選択的に攻撃できるということです。人間に対する毒性が低いため副作用が少なく、安心して服用できる抗菌薬だといえるでしょう。

クラビットの副作用に注意！

副作用の少ないクラビットですが、もちろん副作用が全くないわけではありません。万が一副作用が出たときに正しく対処するためには、出る可能性のある副作用を知っておくことが大切です。

クラビットの副作用

クラビットの副作用としては、悪心、嘔吐、吐き気、下痢、胃痛、腹痛、食欲不振、消化不良、口渇、便秘、口内炎、舌炎などの消化器系のものが挙げられます。また稀ではありますが偽膜性大腸炎になる可能性もあります。
抗菌薬を飲んで消化器系の副作用が出るのは、病原菌だけではなく身体に必要な善玉菌などの細菌も攻撃してしまうためです。症状がひどい場合は、胃薬を飲むなどの対策が必要になります。
 
またクラビットには精神神経系の副作用もあり、主なものとしては不眠、めまい、頭痛、傾眠、しびれ、振戦、ぼんやり、幻覚、意識障害、倦怠感、耳鳴り、末梢神経障害、錐体外路障害などがあります。
このうちで一番注意したいのは不眠の副作用で、承認時の臨床試験および製造販売後臨床試験では全体の2.6％の人に不眠の症状が現れています。あまりにひどい時は、違う抗菌薬に変更したほうがいいかもしれません。
 
その他には、発疹やじんましん、光線過敏症、味覚異常、貧血、動悸、低血糖、頻脈、クレアチニン上昇、血尿、BUN上昇、尿蛋白陽性、頻尿、尿閉などが挙げられます。特に皮膚が弱い人は光線過敏症の副作用が出やすいので、クラビットを服用中はできるだけ直射日光を浴びないようにしてください。

クラビットの重大な副作用

クラビットを服用することによって重大な副作用を被ることもあります。重大な副作用としては、ショックやアナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、痙攣、QT延長や心室頻脈など心臓の異常、腎機能障害、肝機能障害、汎血球減少をはじめとした血液異常、間質性肺炎、好酸球性肺炎、横紋筋融解症、腱障害、過敏性血管炎などがあります。
 
重大な副作用のほとんどは頻度不明で、高い確率で起こるものではありません。しかし、もし重大な副作用が出ているかもしれないと思ったら迷わず病院を受診するようにしてください。

クラビットのジェネリック医薬品の副作用は？

厚生労働省が使用を推奨している「ジェネリック医薬品」、誰もがその名前を耳にしたことがあると思います。ジェネリック医薬品は、新しく開発された医薬品の特許が切れた後に同じ有効成分を使用して開発される医薬品のこと。最初に開発された薬が先発品と呼ばれるのに対し、ジェネリック医薬品は後発品と呼ばれています。
 
ジェネリック医薬品に対して不信感を持つ人もいるようですが、先発品と同じ有効性および安全性が確認されているので問題はありません。また新薬の開発には9～17年という長い歳月と約500億円という高額な費用が必要なのに対し、ジェネリック医薬品はずっと安く短期間で開発できます。そのため薬価も先発品と比べるとかなり安くなります。
 
クラビットはすでに特許が切れているため、多くの製薬会社がクラビットのジェネリック医薬品を製造・販売しています。前述したようにジェネリック医薬品や先発品と同じ有効成分を使用しているため、基本的な副作用は変わりません。
ただし、ジェネリック医薬品でも色や味、添加物などは変えていいことになっています。そのためクラビットを飲んで問題がない人でも、ジェネリック医薬品の添加物によってアレルギー反応が起きる可能性はあるといえるでしょう。

副作用が出たら医師か薬剤師に相談を

副作用が出るのを防ぐためには、まずは正しい服用方法を守ることが大切です。クラビットは安全に使用できる薬のため、正しく飲んでいればそれほど副作用について心配する必要はありません。とはいえ、副作用が出る可能性はゼロではありません。クラビットを飲み始めてから体調の異変が生じたら放置せず、まずは医師か薬剤師に相談してください。

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