ゼニカルの副作用はあるの？ゼニカルで肺がんになるって本当？

世界17カ国で使用されているダイエットピル、「ゼニカル」。医薬品には副作用が付きものですが、ゼニカルは肺がんを誘発するという噂があります。ゼニカルで肺がんになるリスクは、本当にあるのでしょうか。

ゼニカルの副作用一覧

肥満患者に対して病院でも処方されるゼニカルは、立派な医薬品です。そのため、当然のことながら副作用も存在します。頻繁にみられる副作用としては便に関連するものとビタミン不足、そして稀に発生する副作用としては、肝障害、腎障害、胆石症などがあります。

便に関連するもの

ゼニカルは、油分の吸収を抑えることによりカロリーをカットします。カットされた分の油分はそのまま便として排出されるため、便に関連する副作用はどうしても多くなります。ゼニカルの効果と直接関係する副作用なので、服用中は上手に付き合っていく必要があります。

主な症状としては、頻繁な便意やおなら、下痢などです。便意がコントロールできなくなる、脂肪が肛門から漏れ出るなどの副作用も報告されているので、注意する必要があります。

便に関する副作用は、短いと１週間、長いと４週間程度で症状がおさまり始めます。予防することはできませんが、服用中、また服用してから数日はナプキンを使用するといいでしょう。

ビタミン不足

ビタミン不足も、頻繁にみられる副作用です。脂溶性ビタミン（ビタミンA、D、E、K、βカロテン）は、脂肪分に溶けることによって体内に吸収されます。ゼニカルによって脂肪分の吸収が悪くなると、それと共にビタミンの吸収も悪くなります。

ビタミンが不足すると体に代謝が悪くなり、様々な体調不良を引き起こします。また、肌荒れの原因にもなります。ビタミンは、健康と美容を維持するためには欠かせないのです。

ゼニカル服用によるビタミン不足を防ぐためには、積極的にビタミンを摂取する必要があります。特に、ビタミンEとβカロテンは意識して摂取しましょう。食事だけで補うのが難しければ、マルチビタミンのサプリメントなどを取り入れることをおすすめします。

肝障害

稀に起こる副作用の一つに、肝障害があります。2014年までに報告された重大な肝障害は14例、中には肝移植を必要とするほど重篤な例もあったそうです。

食欲がなくなったりだるさを感じたりしたら、肝障害の可能性があります。また、皮膚が黄色くなってかゆみが出る、白目が黄色くなる、なども肝障害の兆候です。

腎障害

ゼニカルによる腎障害もそれほど多くはありませんが確認されています。初期症状としては、手足のむくみや尿の減少などが挙げられます。また、血尿や背中の痛みなどの症状が出る場合もあります。

胆石症

ダイエットを行うと、胆石症になる確率が上がります。しかし、ゼニカルを服用しながらダイエットを行うことで胆石症になる確率がさらに上がります。

食事と運動のみのダイエットを行なった場合、胆石症になる確率は1.8％。ところが、ゼニカルを服用すると胆石症発症率は2.9％になります。わずかではありますが、リスクが上がることがわかります。胆石症の主な初期症状には、腹痛、吐き気、嘔吐などがあります。

その他

その他にも、アレルギーや膵炎、胃の膨満感、腹痛、食欲不振など様々な副作用が報告されています。副作用が生じた場合には直ちに服用を中止し、医師に相談するようにしましょう。

ゼニカルって肺がんになるって本当？

前に述べた副作用以外に、ゼニカルが肺がんを発症するという話もあります。確かに、アメリカの研究ではゼニカルを服用することによって肺がんのリスクが高まるという報告があります。そのため、発売を一時的に中止したこともあるようです。

ゼニカルによって肺がんが発症するのは、脂肪分がそのまま流れ出ることによって十分な栄養が吸収できず、抵抗力が落ちるためだと考えられています。

特にリスクが高いのは、消化管の病気や胆石症、肝臓病や腎臓病などを抱えている人です。また、BMIがそれほど高くないのにゼニカルを服用している場合もリスクが高くなるようです。

しかし、ゼニカルによって肺がんになることは科学的に証明されているわけではありません。根拠があるわけではないと、ゼニカルによる肺がんリスクを否定する医者もいるようです。免疫力を落とさないように気をつけていれば、肺がんリスクを恐れる必要性はあまりないでしょう。

ゼニカルで安全に効率的なダイエットを

ゼニカルのよくある副作用は、便に関連したものとビタミン不足です。ビタミン不足は、食生活の改善やサプリメントの使用で回避可能。便に関連した副作用は避けることはできませんが、日常生活に大きな支障をきたすほどのものではありません。

また、ゼニカルによる重大な副作用のリスクもありますが、発症頻度は非常に稀です。肺がんに至っては、科学的な根拠は一切ありません。

カロリーの多い脂肪分をカットできるゼニカルは、効率的にダイエットを行うためにはもってこいの医薬品です。副作用と上手に付き合いながら、しっかりと体重を落としましょう。

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