マイコプラズマ肺炎の治療薬は?クラビットは効く?
マイコプラズマ肺炎は多くの人がかかる病気で、成人までに日本人の97%がマイコプラズマに感染するといわれています。ここでは、その治療に用いられる抗菌薬をご紹介します。
マイコプラズマ肺炎について
マイコプラズマ肺炎はマイコプラズマという細菌に感染することによって発症する病気で、罹患者の80%は子どもだといわれています。その特徴は痰を伴わない咳で、特に夜になると咳き込むことが多くなります。咳の他にも全身の倦怠感や発熱、頭痛などの症状がみられます。
マイコプラズマ肺炎は症状が風邪と酷似しているため、自分で見分けることはほぼ不可能です。風邪が長引くときには病院を受診することが大切です。
マイコプラズマ肺炎の治療薬「マクロライド系抗菌薬」
マイコプラズマ肺炎の治療にメインで用いられる薬は、マクロライド系抗菌薬です。ここではクラリスやジスロマックをはじめとしたマクロライド系抗菌薬についてみていきましょう。
マクロライド系抗菌薬とは
マクロライド系抗菌薬は細菌のタンパク質合成を阻害することによって効果を現す薬で、マイコプラズマに対して高い抗菌作用をもちます。またマイコプラズマ以外の菌に対しても有効で、中耳炎や気管支炎、ピロリ菌感染、クラミジアなどの性感染症の治療にも使用されます。
一般的に、マイコプラズマ肺炎にかかったときにはマクロライド系抗菌薬が処方されます。日本マイコプラズマ学会でも、マイコプラズマ肺炎治療の第一選択としてマクロライド系抗菌薬を推奨しています。
マクロライド系抗菌薬が効かないことも
以前は当たり前のようにマイコプラズマ肺炎の治療に使われていたマクロライド系抗菌薬ですが、最近では効かないことも増えてきました。その原因は、耐性菌の出現です。耐性菌とは薬に対する抵抗性をもった菌のことで、薬を繰り返し使用することによって耐性菌が増えていきます。
幅広い菌に対して効果を示すマクロライド系抗菌薬は感染症治療に使用される頻度が高いため、耐性菌が増えてしまいました。マクロライド系抗菌薬が効かないマイコプラズマを「マクロライド耐性マイコプラズマ」といい、これに感染した場合は違う種類の薬で対処する必要があります。
マクロライド耐性マイコプラズマ肺炎の治療薬
マクロライド耐性マイコプラズマに感染した場合の主な治療薬としては、テトラサイクリン系抗菌薬の「ミノマイシン」、あるいはニューキノロン系抗菌薬の「クラビット」が挙げられます。
テトラサイクリン系抗菌薬「ミノマイシン」
テトラサイクリン系抗菌薬は、マクロライド系抗菌薬と同様に細菌のタンパク質合成を阻害します。テトラサイクリン系抗菌薬に分類される代表的な薬として、ミノマイシンが挙げられます。
ミノマイシンの注意すべき副作用としては、歯牙黄染が挙げられます。これは8歳未満の子どもがミノマイシンを服用したときに歯が黄色くなってしまうというもので、1度変色すると自然に治ることはほぼないといわれています。そのため、8歳未満の子どもには原則として処方されません。
また、飲み合わせが悪い薬が多いのもミノマイシンの特徴です。気を付けたい併用薬としては、カルシウム剤や鉄剤、胃腸薬、高リン血症治療薬、抗血栓薬、リウマチ薬、強心薬、血糖降下薬などがあります。薬を服用しているときには、市販薬も含めて必ず医師に報告するようにしてください。
ニューキノロン系抗菌薬「クラビット」
ニューキノロン系抗菌薬は比較的新しい薬で、その作用メカニズムは細菌のDNA合成阻害です。ヒトにはないDNAジャイレースを阻害するため、細菌のみに選択的に作用します。ニューキノロン系薬の中でも特に強い抗菌作用をもつ薬がクラビットで、スペクトルが広く幅広い細菌に対して効果を示します。
クラビットは抗菌薬の中では副作用が出にくいといわれていますが、めまいや頭痛、発疹、下痢などの症状が現れることもあるので注意が必要です。また、光線過敏症になるケースがあるのでクラビットの服用中は直射日光を避けるようにするとよいでしょう。
また、クラビットを子どもに投与した場合の安全性は確立されていません。動物実験では、幼若犬や若い成犬、幼若ラットへの投与で関節異常が認められています。そのため、原則としてクラビットは16歳以上を対象に処方されるようです。
クラビットも耐性菌の出現が問題に
マクロライド系抗菌薬に対する耐性菌は大きな問題ですが、クラビットに対して抵抗性をもつ菌も増加しています。多くの感染症に効くことから医療現場で広く使用されていただけに、クラビットの耐性菌の出現は現在大きな問題となっています。
耐性菌は、使えば使うほど増えていく一方です。そのため、これ以上耐性菌を増やさないためには安易な使用を避けることが大切です。本当にクラビットを必要としている人のためにも、クラビットは必要なときのみ服用するようにしましょう。
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